林業を考える

2021-05-16合理化,提案,政治・政策林業,花粉症

すっごい大事な林業

林業がうまく回れば発生しない問題を表にしました。

事象発生する理由解決策
山の動物が里に下りてくる山から里まで身を隠せる道がある下草刈りや木の枝打ちした区画を里の周りに配置すればいい
杉に代表される花粉成熟した木が放置されている(成長途中の木はあまり花粉をださない)人工的に木を入れ替える(植林と伐採)
大雨の時に流出してくる木伐採された木が山の中に放置されている伐採した木に価値があればいい
林業がうまく回らないことで発生する問題

現在の状況になった理由

さて、かつては、

  • 材木を輸入していなかった
  • 材木は燃料だった

ので、

需要>供給

ということで里の周囲に木は少なかったわけです。

明治中期の六甲山(画像は林野庁のWEBサイトから)

しかしこれでは地すべりが発生してしまいます。

里に被害がでてしまうので、当然、治山事業をしようとなりまして、江戸時代から植林事業が始まったのだとかなんとか。

山にせっせと木を植えるようになりました。

しかしその後、木材以外の燃料が登場し、建材の輸入もされるようになりました。

木材需要が減少し、結果、山に木が過剰にある現在の状況となります。

未来の予想は難しいものです。

先人が植林をしてくれたのは先のことを考えてであり、良かれと思ってです。

木が育つのには時間がかかるわけですから手遅れとならないよう、植林に踏み切った判断は合理的なものだと思います。

国産木材に需要がないのはどうしようもない

建材として輸入材が売れるのは仕方のないことなのです。

なぜなら、安くて丈夫だからです。市場原理に従って選択されているのです。

ハードウッドという種類の材木をご存じでしょうか。

熱帯地方から輸入される材木ですが、

  • そのままでは釘を打てない程固い
  • あまりに固いので雨ざらしにしても朽ちない
  • あまりに固いので蟻も喰わない
  • もちろん耐震性も抜群

という特徴があります。

そして、鉄骨よりは安い。

国産木材と鉄骨の間の地位を見事に固めてしまいました。

国産の集成材(木材を接着剤で固めて成型した材料)では実績がまだないため、雨ざらしになるウッドデッキのような使い方では、現状ベストな選択肢となっております。コスパに優れます。

このように国産木材が使われなくなってきたのは合理的な理由からであり、今更どうしようもありません。

人口減少が続いて新築需要の先は暗いですし、住宅は賃貸派が優勢になってきているので、建材として消費するのは無理があります。

国内で消費することに無理があるのなら、加工するか輸出するかですが、現状はよい試みが出現していません。

建材としてダメなら、燃料として使うかとなりますが、電気とガスそれに灯油がある現代ではその選択もとれないのです。

木材を燃料として使わなくなったのは時間をかけて選択されてきた結果なのですから。

なんらかの理由でガスや石油が輸入されなくなったとしてもまだ石炭が控えています。

脱線しますが、日本は石炭の煤煙を技術によって克服済みですので、炭素排出を目の敵にした現在の環境運動が下火になる未来がきたら、再び石炭発電が盛り返すかもしれません。

新潟県としてはその線も見据えて石炭火力発電を完全に切り捨てないでおきたいものです。

提案:立木をその場でチップ状にして放置してはどうか

現在山に生えている木は商業的に利用価値が低く、わざわざ切って道のないところから運び出す動機に欠けるのが問題なのです。

そのため治山事業では木を切っても丸太をその場に放置することがあるのです。

この放置された材木が、大雨の時に流れ出して人工物を破壊する要因になってしまいます。

経済的な理由で切ってもその場に放置するしかないのですから、その点はそのままに、改善策を考えます。

切り倒すのではなく、チップ状にしてばら撒いてしまえばどうでしょうか。

チップ状であれば

  • 大雨で流出しても人工物を直接は破壊しない
  • チップを細かくできれば流水路をふさがない
  • ばら撒かれたチップは地面を覆うので下草を抑制する
  • ばら撒かれたチップは保水力があるので普段は土砂崩れ対策に貢献する

問題は作業機械の開発です。

最低限人力で運べ、現場で複雑な組み立ては不要なものでなくてはなりません。

理想はエンジン式のチェーンソウくらいの重量でしょうか。

ウッドチッパーという機械が既にあるのですが、自走式はあるものの、担げるものはまだありません。

なお、真っすぐに生えている木の幹に取り付けて枝を落とす機械「動力枝打機」なんてものも既にあります。

動力枝打機、画像は林野庁のwebページから

林野庁のWEBページを見ていると材木を建材として利用するための機械しかないようです。

切ってバラバラにしてその場で捨ててしまうという発想は現状の打開するのではないかと思います。

終わりに

動力枝打機の画像を見てて思いましたが、枝だけ落として木を生やしたまま放置するというのはダメなのでしょうか。

もったいないお化けに悩まされるのか、枝を落とした立木は長期的に何かまずいことがあるのかな。

真っすぐ木が立っていないとそもそも使えないでしょうから、そんな木を建材に使わないという選択はないのかもしれませんね。

なお、筆者は花粉症ですので、杉の生えている山を眺めていると時々火を放ちたくなる衝動に駆られる時があります。

成熟した杉の枝だけでも払いたいところです。

風に乗って花粉は飛びますので、見える範囲だけやってもダメなんでしょうけどね。

案外、花粉症の人から結構なお金が集まるかもしれませんね。受益者負担でやれたりして。

というか、もし多数決を取ったら、

土砂災害よりも花粉をなんとかしてくれ!全ての杉を切れ!

と選択する人が結構な割合でいそうです。

おまけ

火をつけると言えば、切り倒した木を現場で燃やしてしまうという手もあると思うのです。

「山火事がーと言われるからできない」のでしょうか。

この辺もう少し調べてみたいです。

技術的には可能なのに規制のせいでできないという状況なのであれば、記事を投稿したいと思います。